本日は「タイ工場でのミャンマー人労働者210人以上の突然解雇・賃金不払い問題」「米国のトランプ政権がミャンマー人など7カ国のTPS就労許可を1週間延長した問題」「米国ワシントンD.C.でラオス・中国外交公館前に集まったミャンマー民主活動家の抗議行動」の3本をお届けします。いずれも日本国内のメディアではほぼ報道されていない、世界各地のミャンマー人コミュニティに関わるニュースです。
世界的な製造業の受注減少を背景に、タイの工場経営者が最もコスト削減しやすいミャンマー人移住労働者を標的にしています。多くの労働者は渡航費を借金して出稼ぎに来ており、無補償解雇は即座に家族全体の深刻な貧困につながります。WAGが記録した事例では、仲介業者に2,000バーツの斡旋料を支払った直後に仕事を失ったケースもありました。
日本在住のミャンマー人(約7万人超)の多くはタイに家族や親族を持っています。タイでの収入が途絶えることは、日本からの仕送りへの依存度が高まることを意味します。また、日本の技能実習生・特定技能ビザで働くミャンマー人にとっても、帰国後の生活基盤がタイにある場合、こうした情勢は帰国計画に直接影響します。
2024年2月に施行された徴兵法は18〜35歳の男女に兵役を義務付けており、多くの若者が「兵士になるか、国を出るか」の二択を迫られています。これがタイへの人口流出を劇的に加速させ、受け入れ地での労働搾取リスクを高める構造的要因となっています。建設業・日本企業のミャンマー人労働者採用にも影響する可能性があります。
TPSは、出身国が自然災害・武力紛争などの「特別な事情」にある場合に、米国内に滞在中の外国人が合法的に働き、強制送還を免れることができる制度です。2021年のクーデター後、ミャンマー人は対象国に追加されました。TPSを失うと就労も強制送還免除も保証されなくなります。
米国にはミャンマー難民・移民が推定数万人規模で暮らしており、TPS失効は職だけでなく医療・住居などの社会サービス利用にも支障を生じさせます。在米ミャンマー人はミャンマー国内の家族への送金源でもあり、経済的打撃は本国の家族にも直接波及します。
日本は2021年のクーデター後、ミャンマー人への在留資格配慮を行い、特定活動ビザによる在留継続を認めています。米国のTPS問題は、難民・移住者保護政策が政権交代によっていかに急変するかを示す事例です。現在、日本のミャンマー人コミュニティ(約7万人)は比較的安定した滞在基盤にありますが、政策の継続性の重要性を改めて認識させます。
1962年7月7日、ネ・ウィン将軍によるクーデター後の抑圧に抗し、ヤンゴン大学の学生がデモを行い、軍が無差別銃撃・多数殺害した事件です。翌8日には軍が学生自治会館を爆破しました。この事件はミャンマー民主化運動の原点として語り継がれており、毎年7月7日に世界各地のミャンマー人ディアスポラが追悼・抗議行動を行っています。
ミン・アウン・フラインはラオス訪問(7月3〜5日)でASEAN加盟国への初の公式外遊を果たし、メコン川水力発電の共同調査に合意しました。中国はASEAN域外で最大の軍政支援国であり、2026年6月には習近平主席との首脳会談も実現しています。これらの外交的接触が「軍政への正統性付与」として在外ミャンマー人の怒りを高めています。
日本はクーデター後にODAを停止しましたが、現在ASEAN枠組みでミャンマーとの外交チャンネルをどう維持するかが課題です。7月13日にはバンコクでASEAN外相とミャンマー軍政外相との非公式会議が予定されており、国際社会の対応が注目されています。在日ミャンマー人コミュニティ(約7万人)は、日本政府の立場を強く注視しています。