本日は「中国・タイ国境での抗議活動」「国連安保理でのR2P(保護する責任)提起」「バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプでの土砂災害」を取り上げます。いずれも日本のメディアではほぼ報道されていませんが、日本と無縁ではないニュースです。
ミャンマー北部は軍政の支配が及びにくい地域で、中国系企業が事実上の無規制で鉱山開発を進めています。被害を受けた住民がミャンマー国内で抗議できないため、タイを経由して国際社会に訴えるという構図です。
中国はミャンマー軍政の最大の支援国であり、武器・経済支援を提供しています。一方で北部の鉱山・カジノ・サイバー詐欺拠点も中国系勢力が運営しており、「支援しながら搾取する」複雑な関係が続いています。
日本はミャンマーへの環境・インフラ支援を長年行ってきた国です。中国主導の開発が環境破壊を引き起こす一方、日本のODAは環境基準を重視した案件が多く、現地でも評価されています。クーデター後のODA凍結でその存在感が薄れていることを、関係者は懸念しています。
R2P(Responsibility to Protect)とは、国家が自国民を守れない・守らない場合、国際社会が介入できるという原則です。2005年に国連が採択しました。ミャンマーではこの原則に基づく軍事介入論が繰り返し浮上していますが、中国・ロシアの反対で実現していません。
中国とロシアが国連安保理の常任理事国として拒否権を持っており、ミャンマーへの制裁決議が通りません。ASEAN(東南アジア諸国連合)も内政不干渉原則を理由に強硬措置を避けています。この構図は2021年のクーデター以来変わっていません。
日本は安保理の非常任理事国を務めた経験もあり、ミャンマー問題では「対話路線」を維持してきました。しかし死者10万人超という現実の前に、外交的働きかけのあり方を問う声が国内外で高まっています。日本在留のミャンマー人コミュニティも、日本政府の姿勢に注目しています。
ロヒンギャはミャンマー西部ラカイン州に住むイスラム系少数民族です。ミャンマー政府は長年「国籍なし」として扱い、2017年には軍による大規模な弾圧・虐殺(国連は「ジェノサイドの意図あり」と認定)により約70万人がバングラデシュへ避難しました。
コックスバザールの難民キャンプは世界最大規模で、約100万人が劣悪な環境で暮らしています。斜面に建てられた仮設住宅はモンスーンのたびに土砂崩れに飲み込まれます。難民認定されないため、正式な就労・移動の自由もありません。
日本はロヒンギャ難民への人道支援を継続しており、UNHCRを通じた食料・医療支援に毎年多額の資金を拠出しています。また日本国内にも少数のロヒンギャ難民が在留しており、難民認定問題として日本の入管行政とも関連する問題です。